第九十七回 これは何ですか

hitomi-hirosuke2006-04-30




中野ブロードウェイで、コスプレ衣装を見ながら
友人を待っていたら、
外国人観光客の一団と行き会いました。



ワイワイ騒いで学園ヘヴンディーグレイマンだのくじびきアンバランスだのの
店売りコスチュームをパシャパシャ撮影。


愛知万博世界コスプレサミットも記憶に新しいけど、まだやっぱ外国の人にとっては
珍しいのかなーと思いつつ、スッとすれ違うと……





多分フランス語? かポルトガル語で、


「%$◎wrlkgh##ヒエイ


−¥@:*。<<wplzヒエイヒエイqwr?+!」











ヒエイって飛影!?あの飛影?




なーんだオタクの人かー、と思って急激に親近感を覚えました。
でも今時飛影のものは置いてないと思うよ……。






で、彼女たちが去った後、細部まで完璧に作りこまれたセーラームーンの衣装
一人で見ていると、明らかにこの場の雰囲気から浮き上がっている人がいました。



まるでウインドーショッピングを楽しむかのようにコスプレ衣装を眺めて歩く人々を前に、
彼だけ迷子のように、というか普段身を置いている世界とはまるで違う環境に、
戸惑っているのが丸わかりなその名もリーマン。
三十路前くらいの。



背広というものは世界のどこに居てもその場に溶け込む服だと思っていたのは
とんだウソップ物語だということです。





そういえばこの階の上はずっとマンションだったな……と思いながら、
FF7のクラウドの服とか餓狼の舞ちゃんの服などを見ていると


いつのまにかそのリーマンが隣に立っていて、



なおかつ話しかけてきた。





リ「あなたもこういう服を




着るんですか?」







ギャーっ。





何だその




おびえたような目は!!






何故私に!?



一人だから!?



まさかナンパか!?



場所を選べ場所を!!



それともレイヤーに見えるのか! 私が!




コスプレ衣装を立ち止まって見てたら全員レイヤーか!




それよりも、



コスプレ服と私を




同じくらい珍しそうな目で




見比べるのは




やめろなもし












私「いえ……見るだけです。アハハ……」







人見広介は、寂しそうに微笑んでその場を立ち去るのでしたとさ……。



アハハ……。


ちなみに「飛影」でググると大変な事になります。





禅の哲学―自己の真実を尋ねる

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