備忘録一〇 最初の大ペテン


ふっと、大昔の事を思い出しました。



小学一年生か二年生くらいから、私はズル休みばっかりしていました。(今と同じ

でも、親に風邪だ何だと嘘を吐き続けるのって、限界があるんですよね。






ある朝、「今日も休むか…」と布団の中で思いついた私は(6〜7歳。今と全く同じ



「でも、仮病もそろそろバレるかな」と、母親が起こしに来るまで思案していました。









その時、悟った のです。







「嘘は、バリエーションじゃない。






ニュアンスだ





と。 
(言葉を知らなかった時分の事だから、もっとイメージ的に考え付いたんだと思います……)









母親が部屋に入ってきました。






「おかあさん、何か頭痛いの。風邪ひいちゃったみたい……」



まず、布団の中からだるそうに訴える。





母親が「またかよ」みたいな顔をするのが見なくてもわかります。

伊達に彼女の子供を七年も続けていません。





ちなみに、母親が体温計を渡し、「熱が測れたら呼びなさい」と部屋を出てからの私の行動パターンと言うと、



布団から飛び起きて、全力で その場駆け足(音は立てないように)。
運動によって体温を極限まで高めてからまた布団に入り、最速で熱を測って母親に見せに行く。
顔も真っ赤だし、なんだかハアハアしているので視覚効果も高い。






でした。


「でも、それはちょっと疲れるな」




などと薄々考えていたのだと思います。





サボるなら何もかもサボり通す根性を見せようと思ったのか。



ある意味引きこもりのパイオニアというか、だと思います
自画自賛とはちょっと違うんだろうなこの感情は……)








そんなこんなで、いやな顔をする母親に向かって、しおらしげに幼い私が言った言葉は……






ああ、一字一句思い出しました。いけしゃあしゃあとチビ人見はこう抜かしやがりました。








「あのね、もうすぐドッヂボール大会なの。






他の子にうつしちゃうと悪いから、今日は休んだほうがいいみたい……。」








昌子(母)はコロリと騙され、あっさりと部屋を出て行きました。






ちなみにドッヂボール大会なんて  です。夢の企画です。




んー、我ながら完璧な工作だったとほくそ笑んだものですよ。
今思うと、かなり根性が悪い。

子供ながらに博愛精神を気取るというか、
他人を引き合いに出すなんて最悪です。





ああ、もし私がその時昌子(母)だったら、絶対に脳の中で危険信号みたいなものが鳴り響いていたと思うんですが……。








人見広介は、嘘が大好きです。

嘘を見破られても、愛してくれる周りの人々は凄いなーと思います。





ところで、何故こんな事を思い出したのかというと、

ネトゲ女子小学生の話を聞く という、非常に稀有な事態に遭遇したからでした。




今、私の前に、ものすごーく新しい世界が開きかけているのかもしれません。





21世紀こども百科 大図解 (WORLD WATCH)

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