第二十九回 ハイ! チャイナ!

飲みすぎでフラフラしてる子に、何とか中のものを吐き出させようとすると、


「どうしたら吐けるのかわかんない……」


などと言います。




根性のたりねぇ奴だ! とそこで私は怒ったりするんですが、違うんですね。






上手に吐き出すコツは3つ



1・手を口に入れる前に、水で手を濡らしておくこと。


2・水分を摂っていなかった場合は、コップ二杯ぶん程の水を飲むこと。


3・吐き出すときは、一緒に息も大きく吐くこと


です。




吐きツボ」というのがあります。


指を突っ込んでそこを押すと、否が応にも嘔吐してしまうという、誰しもが持っている喉の奥のツボ。


昔、気がついたら吐きダコが出来ていたことがありました。
タコっていうか、傷かな?



何回も吐きダコに触れているうちにできたものです。
私は犬歯がちょっと尖っているので、こすれちゃったと思うんですが、それからというもの、この吐き傷が一種の……支点っていうのかな? になりました。
ようするに、犬歯にその吐き傷を当てると、ちょうど指の先が吐きダコに当たる位置に持ってくることができるわけです。


この黄金パターンを発見した私は、苦しいのを最小限、最短時間に縮められるようになりました。
吐き傷はどんどん大きくなっていったけれど…………。





さっき少し頭痛がして、食べたものを吐いてしまおうと思いました。

トイレに入って、ものの十秒で胃の中をカラッポにし、塩水を作って余裕のうがい

却ってお腹が空いてしまって、タコ焼でも買いに行こうか? ってなもんです。




暗い思い出を抱えていても、そこで得たものは、きっとさりげない形で未来を助けてくれるんだなぁ……と、人見広介は、ちょっと感動しています。ちょっとね。





SUGAR FIX

SUGAR FIX