第二十八回 胃からクレーム来るよ
大喰らいの女の子って、いいですよね…………。
回転寿司をレーン全部食べ尽くして、回らなくさせる女の子。
食べ放題の料理を店の材料が無くなるまで食べて、実際に略奪者(バイキング)と化す女の子。
「今日のわんこ♪」と、空にした三百杯のわんこそばと一緒に写真に収まる女の子。(余裕のピース!)
「これを○分以内に食べたら」的なイベントも楽勝クリア。その後向かいの食べ物屋さんに直行(もちろん鼻歌交じりで♪)
うーん、超カワイイ!
「魔人探偵脳噛ネウロ」の桂木弥子たん。
悟空やルフィが大喰らいなのは、まあ当然って感じですよね。別に男子が大飯喰らいでも、ああ力を付けてるのねとか、ジャンプ的には不可欠だよねとか思うくらいで。
大食いキャラが大食いキャラであることに意味があるケースは、主人公級にならないと、かなり少ないんです。
例えばこれ。
- 作者: 聖鈴子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1988/07/22
- メディア: コミック
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昔、「ちゃお」でやってたんですが、大食いの超能力少女が敵と戦ったり、ボーイフレンドを助けたりする漫画です。
確か、お腹が空いてると、ESPが発動しないんですよ。でも、超能力が使えることは彼氏に言ってた癖に、大喰らいであることは内緒にしていたような(食べてるときの獣のような形相を見せたくなかったんだっけかな?)記憶が……。そこ違うだろ!!と小さいながらにちょっと思ってました。
あと、大食い少女が主人公の漫画と言えばコレですが……
怪奇大盛!!肉子ちゃん―児島都作品集 (マジカルホラー (1))
- 作者: 児嶋都
- 出版社/メーカー: マガジン・ファイブ
- 発売日: 2003/04/01
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タイトルからして「怪奇」って付いちゃってるから、女キャラよりフリークスの扱いが妥当なんじゃないかと。
それから……何でも吸い込むアレですか。桃色の。ちょっと違いますかね。ピンク色でもアレは男とか女とかないですけどね。
アレは食べてるんじゃなくて、吸ったり吐いたりしてるだけですし。
でも奴は、吸い込んだ相手の能力に応じて変形したりして、生物の進化の可能性を示唆してくれていますね。使徒みたいなモンですね。
♪なーんでーも摂り込むー……
で、女の大食いキャラが主役でなくなるとどうなるかという話です。
美少女ゲームやパンツ漫画ハーレム漫画(ネギま!みたいなの)においては、キャラクターにバリエーションを持たせるための食べキャラ付けは常識的です。
リアルでもほら…………辻とか。
でも「はぅ〜。チョコレートケーキには目がないんですぅ〜」
とか、
「シュークリームなら何十個でも食べれちゃうゾ!(爆)」
とか甘いもの系、要するに男から見て微笑ましく、かわいらしく思える程度の大食い目録しか付けていない。
弥子は違うのだよ弥子は。
ジャンプに載せられる登場人物紹介、弥子だけ好物紹介。(ちなみに毎週違う)
冒頭は、「ネウロ」作中で弥子タソがかいま見せたグルメライフの氷山の一角。
真の大食いキャラとは、見ていると胸やけや吐き気、動機・息切れ・めまいを起こさせる彼女のためにある言葉だというのが、ちょっと伝わりましたか?
本題に戻ります。
何故大食漢の弥子タソに、こんなにも萌えるのか……。
まず、作中で彼女の食欲が、主人公であるネウロと関連を持っていること。
魔人ネウロは、我々と違い「謎」を主食にしています。そして、そのありあまる食欲のため魔界の「謎」を食べ尽くしてしまい、人間界にやって来たという設定。(私は魔界追放説を唱えたいと思っているんですが……)
人とは異質な存在ではあるものの、食べることが大好きな弥子は、餓えや粗食に耐え切れなかったネウロに少し共感を覚えるわけです。(そして、弥子を通じて我々読者も)
はい、弥子タソの大食いキャラ、これで単なるキャラ立てを超えて「ネウロ」の必要不可欠要素になりました。ここがギャルゲーとの違いですね。
さらに、たくさん食べるキャラといえば大抵頭が弱い天真爛漫な人物が多いんですよ。なんとかイエローとか。悟空もルフィもそうだし、栗田(アイシールド21)も。女の子は小動物系だったり、好物に対しては幼くなるツンデレ系であります。弥子だって、美味しいたこ焼(十箱)を前にしたらヤター(´∀`)となりますけど。ハアハア(;´Д`)
しかし、弥子の食べたものは頭脳労働に使われるのです。
カッコイイ!!
Lみたいだね!
(そうか、しじゅう頭を使ってるから太らないのね、弥子タソ……)
ここに、大食いキャラの新たな地平を見出すことができます。
桂木弥子が何故萌えるのか:
1 準主人公でありながら、その大食いという特性が物語の中で重要性を発揮している
2 大食いの趣味が結果的に探偵業に貢献している。つまり、事件解決、ひいては世界平和のために喰っている
3 常人に胸やけを起こさせるほど喰う(=萌えキャラ的なしぐさがない=ストイシズムすら感じさせる生き様=漢)
つまり、大食い弥子に萌えている人見広介は、構造萌え、インテリ萌え、職人萌えに通ずる萌えを彼女に感じていたのです。
たくさん書いたので疲れてきました……今夜は、おなじみの一言でお別れいたしましょう。
せーの、
ど、ど〜も…… ワラジ虫で〜す…………。
- 作者: みさくらなんこつ,アキバ式ダイエット委員会,みついまな,鮭,咲良
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