第九回 一枚の絵の向こうに
朝青龍が優勝しましたね。
それはそうとして、千秋楽をほぼ最初から眺めていて、気が付いたこと。
満員御礼の国技館。
東と西の力士がそれぞれ、化粧廻しをつけて入場してきます。
最近の化粧廻しって、色々なスポンサーの柄が入っているんですよ。
よーじやとか。
面白かったのがPUMAで、黒字に金文字でロゴと、あのマーク。純粋にカッコいいです。
ずっと前、友人と化粧廻しに「こむでぎゃるそん」とか元禄文字で書いてあったりしたら笑えるよね、なんて話していたんですが、素顔のPUMAに先を越されました。
頑張れ日本企業。「なしょなる」とメリメリ表記した化粧廻しを付け、力士の頭にアンテナを立てておくれ。
ちょ、ちょっと待っておくれカロヤン=ステファノフ=マハリャノフ。
名前はどれだ。
じゃなくて、
明治ブルガリアヨーグルトって廻しに書いてあるぞ。
よく見ろ。
えーと、「化粧廻し」について調べてみました。
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大相撲ページ「舞の道」大相撲用語集からの抜粋:
【化粧廻し】
十両以上の力士が土表入りのときに付ける廻し。
幅68センチ、長さは力士の体格によって違いますが6メートル前後。最初に白いふんどしを締め、その上から縦に六つ折にした化粧回しを巻きます。
撒き方は普通の回しと同じやり方です。刺繍が入った豪華な部分はこの生地の先端部分です。
ここをエプロンのように前に垂らします。
部屋や力士の後援会、出身大学や高校、そして出身の自治体などたくさんの人がプレゼントしてくれます。
個人でプレゼントすることも可能だそうです。
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プレゼントって事は、今彼が着けている、いわゆるマルセル=デュシャンのレディメイド的なキッチュな廻しは琴欧州のコレクションの一つでしょうか?
「今日はブルガリアな気分」だったのでしょうか。地元だろ!帰りたいなら親方に直接言えよ琴欧州。
廻しなんかで遠まわしにホームシックをアピールするなよな!!
それともやっぱり、明治の広告塔として着用を要請されたのでしょうか。
信頼度は高そうな仮説ですが……。
以下、勝手に考えた琴欧州と明治の宣伝部の人の会話。
宣伝マン「ブルガリア出身てことで、うちの商品を宣伝して貰おうと考えてまして。ゆくゆくはTVCMへの起用も考えておりますから、ぜひ。お国のこともアピールできますよ!」
琴欧州「えっ……ヨーグルトジャン!アヴァンギャルドすぎませんカ。それに……これ着けても別に、国にアフィリエイト的なものが入るわけじゃないしサ。前々から思ってたけど、ブルガリアのヨーグルトはこんな味してないヨ」
宣伝マン「や、じゃあもう祖国のことは忘れてください。とにかく着けてください」
それか、もしかして、同じ部屋の力士からの、プレゼントかもしれませんよね。
「お〜いこれ、この化粧廻し。後援会の人から貰ったんだ。貰った瞬間お前にやろうって決めてたんだ。やるよ」
「エッ……ダカラ、ブルガリアヨーグルトとブルガリアのヨーグルトは、全く無関係だヨ。日本人だからって、サムライ、ハラキレって言われるようなもんだヨ」
「お前が着けなくて誰が着けるってんだよ!(怒)」
「そうだそうだ」
「いじめダヨ……戦わなキャ、現実ト」
で、嫌だっつってんのに翌朝、ブルガリア廻しは畳んで琴欧州の枕元においてあるんでしょうね。
一体誰の差し金でしょうか。琴光喜あたりがあれで怪しいのではと睨んでいるのですが。
あれがどれだけ値段の張るものだかは知りませんが、やろうとさえ思えば、相撲取りの前垂れを借りた一大ファッションショーや展示会もできるかもしれないですよね!
あの面白さに、もっと皆が気付いてくれればいいなぁ。
人見広介は、なんか意外なところにビジネスチャンスをハケーンした気がします。
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