シラノ・ド・ベルジュラック(追加シーン)


プロットに関して、第一幕の前にプロローグを入れてみました。


〜プロローグのあらすじ〜


オペラ座。今日は看板役者モンフルーリの、久々の公演だ。
集まる客達は、心配そうに開演を待っている。
それもそのはず、頑固で、剣豪の誉れ高いシラノ・ド・ベルジュラックが、
モンフルーリに謹慎を命じているのだ。
にもかかわらず、利益を優先する支配人の采配で、
今日の出演が決定してしまった。
そこへ、美貌の娘、ロクサーヌがあらわれ、観劇にくわわる。
近くにいた、田舎から出てきたばかりの青年貴族クリスチャンは、彼女に一目ぼれ。
ロクサーヌもクリスチャンの美しさに心を奪われる。
そうこうしているうちに、劇が始まる。
相変わらず臭い芝居のモンフルーリ。
すると、観客の後ろから怒号。約束をやぶったモンフルーリを成敗しに、
シラノがやってきたのだ。
慌てて逃げるモンフルーリ。
支配人は、おかげで稼ぎがパァになったと不平を言う。
気前のよいシラノ、有り金をすべてまき散らかしてしまう。
親友ルブレと二人きりになり、真相を打ち明けるシラノ。
彼がモンフルーリに敵意を抱いたのは、舞台の上からモンフルーリがロクサーヌに対して
色目をつかっていたからだと言う。
シラノの恋心を知るルブレ。
そこへやってくる、ロクサーヌお付きの小間使い。
明日、知り合いの開くパーティに出席し、そこで内緒の話がしたいという、
ロクサーヌの手紙を持ってくる。
天にも昇る気持ちのシラノ。彼女の真意も知らずに……。


【プロット】

舞台前部、プレーヤーから見て手前に、固まって座る客達。視線は右奥あたり。
オペラ座の支配人、舞台奥の手前に一人で立っている。
手前奥、クリスチャンと連れの貴族が立っている。
田舎から出てきたクリスチャンに、オペラ座を見物させている所。
手前からロクサーヌと小間使い入場。手前端に座る。
客がそれに気付き、美しさをこそこそ褒める。
クリスチャン、ロクサーヌの素性を連れの貴族に尋ね、ラブなエモ。
ロクサーヌもクリスチャンの視線にぶつかり、彼の美貌について独り言を言った後、
ラブいエモ。
支配人が舞台(ここでは右手奥の空白を指す)に現れ、挨拶の後花火を上げ、
上演が始まる。
奥の階段から上ってきて、セリフを言うモンフルーリ。
シラノ、手前の階段から刀を下げて登場。
後ろからルブレが付いてきてなだめようとするが、
シラノは聞く耳持たず、文句をいい、刀を見せびらかす。
クリスチャン、連れの貴族にシラノの情報を尋ねる。あれが明日から上司になると聞いて
うんざり。
シラノに驚いて道を開ける客たち。野次を飛ばしながら座る。
モンフルーリ、奥の階段から逃げ出す。
シラノ、舞台中央で刀をおさめる。
シラノの横へやってきて、不平を言う支配人。
シラノ、ルブレと数人に手伝わせ、500ゲルダクーポンを撒く。
歓声を上げながら飛びつく支配人と客。
気前のよさにロクサーヌの小間使い、彼にウットリする。
ロクサーヌもまんざらではない様子。
挨拶を交わすロクサーヌとシラノ。
シラノとルブレを残して、他の者はめいめい退場。
二人は舞台中央に座る。
真相を打ち明けるシラノ、そこへ小間使いが手前の階段からやってきて、手紙を渡す。
(未開封の手紙?)
夢心地のシラノは奥へ、ルブレと小間使いは手前からはける。